肌に優しい石鹸の選び方

2019/07/18

ボディケア・デンタルケア

石鹸の全般的な解説は、バス用石鹸 を参考にしてください。一部内容が被っています。

「肌に優しい」には、主に2つの観点があります。
1つめは、泡立ちが良く摩擦力が少ない石鹸。2つめは、肌を乾燥させない石鹸です。
1つめの泡立ちに関しては、摩擦に弱い肌の持主には重要な要素になります。
これには泡立ちの良いボディタオルを選ぶことも大事です。肌に優しいボディタオル を参考にして下さい。
しかし通常の人は、そこまで泡立ちが良くなくとも、気分的な問題に過ぎないかもしれません。
むしろ大事なのは肌を乾燥させなかったり、肌がすべすべになる感覚では無いでしょうか。
まず結論を言いますと、泡立ちが良くない石鹸のほうが肌を乾燥させにくく、肌がすべすべになりやすい傾向があります。

そのため、泡立ちの少なさを許容できるのであれば、肌への適正に優れる石鹸を選ぶことが出来ます。
その石鹸とは、ココナッツオイル(ヤシ油)の含有量が少ない石鹸です。
その代わりに、パームオイルやオリーブオイルの含有量が高い石鹸です。

泡立ちの優れる石鹸を作るには、基本的に、ココナッツオイルかパーム核油(≠パーム油)を使用するしか方法が無いのですが、これらの成分は肌を乾燥させやすい成分と言われ、実際に私の経験上も、ココナッツオイルの含有量が高い石鹸ほど肌を乾燥させるということを明確に感じています。
多くの化粧品メーカーはこのことを理解しており、泡立ちが良いからと言ってココナッツ油100%で石鹸を作ることは基本的にありません。
しかし、ココナッツ油100%の石鹸は確かに存在し、例えば南国では良く使われると言いますから健康な人の肌にとってはそこまで悪影響のあるものとも言えないのかもしれません。ただし、私は確かに影響を感じています。
基本的に市販の石鹸はパーム油を主体に2~3割のココナッツ油を混ぜた配合にしているようです。
このあたりの配合率の差で、泡立ちや肌への適正の具合が異なってきます。

それでは、パーム油やオリーブ油だけで石鹸を作るとどうなのでしょうか。
そうすると、一般の石鹸のようには全く泡立たなくなります。
しかし、オリーブ油100%やそれに近い石鹸は市販されており、アレッポの石鹸などとして有名だと思います。
これらオリーブオイル100%の石鹸は、肌を乾燥させにくく洗い上がりが最上の石鹸だと思います。
そのため、私のお薦めの一つは、オリーブオイル100%の石鹸です。これはカスティールソープとも言います。
泡立ちの悪さはボディータオルで補うことも出来ます。天然素材のボディタオルより化繊のボディタオルのほうが泡立ちは良いので、少しでも泡立ちを補いたいという方は化繊のものを、あまり泡立ちの悪さは気にならないという方は元々肌当たりの良い天然素材のものが良いと思います。
詳しくは肌に優しいボディタオル を参照して下さい。

ただし、より良質の石鹸を求めるなら、原料がオリーブオイル100%なだけでは無く、コールドプロセス(冷製法)で作られた石鹸が望ましいと思います。
アレッポの石鹸や、マルセイユ石鹸など伝統的なオリーブ石鹸は加熱製法で作られています。
更にアレッポについては石鹸を乾燥させる期間を長期間取ります。
このことが、石鹸に使われている油脂の劣化や酸化を引き起こしています。
特にアレッポについては原料の油脂に精製度が低く不純物の多い油脂を使用しているので、余計に油脂の劣化が起こりやすくなっています。
油脂の劣化は見た目と臭いにもあらわれるため、そのような製作過程を経た石鹸は茶色くなり粘土臭が出ます。
その代わり、不純物の多く入ったオリーブオイルの効果として、アレッポの石鹸はオリーブオイル石鹸の中でも特別に洗い上がりが良い感じ(ピチピチとした感じ)であると感じます。
コールドプロセスでは、そのような酸化や劣化は起こりにくく、色が茶色くなったり粘土臭が出たりといったことはありません。ただ、アレッポのように不純物の多いオリーブオイルを使っている製品は無いため、特別な洗い上がりにはならず、よりニュートラルな洗い上がりになると感じます。
ちなみに、市販の石鹸のほとんどは加熱製法ですが、原料は酸化に強いパームオイルやココナッツオイルがほとんどであり、また、精製オイルを使用しているため、アレッポやマルセイユ石鹸に比べると劣化はずっと目立ちません。
コールドプロセスが特に有効なのが、パーム油やココナッツ油よりも酸化しやすいオリーブオイル主体の石鹸です。

コールドプロセス石鹸は手間がかかるため、価格も高くなることが欠点です。
一つ800円以上かかるのが相場です。
その中で最安値で買えるものを紹介いたします。120gで600円程度です。

楽天では楽天24が送料無料の条件が低いのでお勧めです。「セレクション」と名の付く石鹸はコールドプロセスでは無いので注意してください。
泡立ちは勿論良くありませんが、洗い上がりは過不足の無い感じです。
このラーレリのオリーブ石鹸は、おそらく精製度の高いオリーブオイルを使用していると思われます。
しかし、元々肌を乾燥させにくいため、過不足の無い感じという言葉が適当かと思います。
比較的安いからと言って、品質が悪いとは感じません。

また、精製度の低いオリーブオイルを使用した製品では、以下の「リトルカサブ石鹸」も比較的手ごろです。

精製度が低いオリーブオイルと言ってもアレッポほどのものではなく、通常のオリーブオイルです。

市販の石鹸は、石鹸素地(洗浄力を発揮する石鹸本体のこと)にこだわるのではなく保湿成分などの添加物をどのように配合するかにこだわっている感があります。
私がここまで紹介してきた知識は、石鹸本体の製法に関するものです。
石鹸の性質を左右するのは、保湿成分などの添加物よりも石鹸本体です。
そのため、肌に優しい石鹸を選ぶ際には添加物よりも石鹸本体の製法、特に油脂の種類にこだわるほうが良いと考えます。
いくら保湿成分が多く含まれている石鹸でも、石鹸分の原料にココナッツ油やパーム核油が多めに含まれていたならば肌を乾燥させやすいことは同じです。


次に、もう少し泡立ちの良い石鹸について見ていきます。
私は肌が弱く、摩擦力のかかる洗い方では刺激を感じます。
泡立ちが良いほうが肌への摩擦力は低減するため、摩擦力に敏感な肌を持っている方にとっては、泡立ちが良いほうが洗いやすいということがあると思います。
しかし、前述したように泡立ちを良くするためには、肌を乾燥させやすいココナッツ油かパーム核油を配合しなければいけません。
ここは基本的にどうしようも無いため、できるだけ少ない割合でこれらの油脂が配合されている石鹸を選ぶことで、泡立ちと肌への適正のバランスを取る事が良いと思います。
しかし、市販の石鹸は基本的に、ベースとなるパーム油と、泡立たせるココナッツ油(パーム核油)の配合比率を公開していません。
こればかりは実際に試すか、口コミを参照するしかありません。
パーム油が多くココナッツ油(パーム核油)が少ない石鹸は、泡は大きくない代わりに密度のある濃厚な泡を立てます。特に手で泡立てようとすると、少ない水では泡立ちにくいです。
ココナッツ油(パーム核油)の含有量が高い石鹸は、大きな泡を立てますが、軽い泡で密度は低めです。少量の水でもすぐに泡立ちます。
また、肌への使用感でも判断しやすいと思います。よりしっとりとするほうがココナッツ油(パーム核油)の含有量が低いです。

私が知っている石鹸で、ココナッツ油の含有量が低めだと思われる、マイルドな使用感の石鹸を紹介します。
一つは海外通販のiHerbにあるMild by Nature(旧Madre Labs)の「Castile Soap」です。
【PR】https://jp.iherb.com/pr/Mild-By-Nature-Castile-Soap-Bar-Peppermint-5-oz-141-g/97377?rec=iherb-pdp-related&rcode=QQT011

泡立ちは控えめですがきめの細かい泡を立てます。使用感もマイルドです。香りがラベンダーとペパーミントの2種類がありますが、どちらも天然で新鮮さを感じられる良い香りです。

次に紹介するのは、太陽油脂から出ている石鹸です。

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「パックス 化粧石鹸E」はシンプルな石鹸で価格も安く、「パックスナチュロン クリームソープ」は保湿用の油脂が多少添加されていたり、香付きの製品があったりと、多少付加価値が付いた製品です。
しかし、どちらも使用感は似ていて(記憶の限りでは)、濃厚な泡を立てます。iHerbのCastile Soapと比べると、太陽油脂のほうがやや泡立ちが良く、一般的な使用感に近いかもしれません。しかし太陽油脂のほうが値段が安く、入手性も良いです。

肌を乾燥させないものが良いけれど、オリーブオイル100%の石鹸よりは泡立ちが欲しいという方はこういった石鹸がお薦めです。

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