IB証券の注文方法 (TWSの使い方)

2019/09/27

海外証券会社 資産運用

IB証券(インタラクティブ・ブローカーズ, Interactive Brokers)における注文方法を解説する記事です。IB証券では主にTWS(トレーダー・ワークステーション)を使い注文を行います。WEBからも注文を行えますが、機能は限定されます。初めからTWSに慣れてしまった方が良いと思います。TWSはかなり複雑なので、機能を把握し切れないのですが、それでも私の分かる範囲で解説します。

目次

TWSについて

TWSのダウンロードは以下のページから行えます。
TWSソフトウェア
いくつかバージョンがありますが、TWS最新版で良いかと思います。安定版(Stable)(TWSと表記されているもの)もありますが、現在安定版はスナップショットデータが使えません。→Firstrade証券、およびIB証券について

TWSのログイン時にペーパートレーディング口座かライブ口座(実際の取引を行うための口座)の選択ができます。
ログインパスワード入力フォームでは「SSL」にチェックを入れたほうが良いと思います。
TWSのレイアウトにはモザイクとクラシックの2種類がありますが、私は標準のモザイクを使用していますので、この記事ではモザイクレイアウトを基準にした解説をいたします。
以下がTWSのモザイクの画面です。

Tws12

左上が注文エントリーとなり、ここのフォームに銘柄名を入力しエンターを押すことで、その銘柄が選択された状態となります。
注文エントリーの下の領域には、選択された銘柄の情報やチャートが表示されます。
更に下、つまり画面全体から左下の領域には発注中の注文や約定済みの注文が表示されます。ここから既存の注文の変更等を行えます。
右上の領域には、自分のポートフォリオやウォッチリストにある銘柄の情報が表示されます。
右下の領域はニュースが表示される領域です。

最もシンプルな注文方法は、左上の注文エントリーに銘柄を入力し、そこから注文を行うことです。他のツールや画面にて銘柄を選択した場合も、この注文エントリーにその銘柄が入力されます。
まず、この注文エントリーでの各項目について解説します。

注文エントリー各項目

売り/買い
・・・どちらの場合でも、保有中のポジションと両建てになる注文の場合は自動的に相殺されます(決済注文となります)。空売りが可能な銘柄で、保有するロングポジション以上の売り注文を行うと、その分が空売り注文になります。
空売り注文
・・・空売り可能銘柄の場合、銘柄入力フォームの下に緑色のマークと共に「空売り注文」という文字が基本的に表示されます(何故か表示されない時もあります)。そこで空売りに関する情報が表示されます。
スナップショット
・・・スナップショットデータのリクエストが可能な銘柄の場合、同じく銘柄入力フォームの下にスナップショットという文字が表示されます。ここをクリックすれば即座にスナップショットデータがリクエストされます。
数量フォーム
・・・数量または金額での指定が行えます。端株を有効にすると、金額指定で指定した金額丁度の取引が行えます。端株を有効にするには、「アカウントマネジメント」→「口座設定」→「取引許可」に「米国(Trade in Fraction)」のような項目があるので、それを有効にします。
LMT/MKT
・・・数量フォームの右には注文タイプ選択タブがあります。 銘柄の種類によって選択可能な注文タイプは変わります。LMTはリミット(指値)注文、MKTはマーケット(成行)注文、STPはストップ(逆指値)注文です。グレーとなっていて選択できない注文タイプもあるかと思いますが、それは単に設定にて無効となっているだけです。TWS右上の設定ボタン→機能→注文管理 から各種注文方法を有効に出来ます。また、TWS上で注文タイプの右のはてなマークをクリックすることでも説明が見られます。いくつかの注文タイプについて後述します。
また、注文エントリーに表示される注文タイプは全てでは無いことがあり、「注文チケット」により多くの注文タイプが表示される傾向があります。
DAY/GTC
・・・指値価格などを入力するフォームの右には、注文の有効期限を選択するタブがあります。DAYは当日のみ有効、GTCはキャンセルされるまで有効となります(ただし一定の期間までの制限は有り)。DAY注文が取引所が閉まった後に発注された場合、次に取引所が開かれる日の終わりまで有効となります。
またここで、時間外取引を可能にする設定が行えます。「通常取引時間外にて約定する」は、時間外取引を通常取引時間に加えた取引時間全体で約定を可能にします。「プレ・オープン取引を可能にする」は、プレ・オープンセッションのみを通常取引時間に加えた取引時間での約定を可能にします。時間外取引では、成行注文は行えず指値注文のみとなります。時間外取引ではスプレッドが開きますが、約定機会を広げられるメリットがあります。流動性の高い銘柄であればスプレッドは大きく開かないため、時間外取引を有効にしても良いと思います。
有効期限の選択肢についても注文エントリーで選択できないものがあり、注文チケットにより多くの選択肢が表示されます。注文チケットでは、注文を有効にする開始日時と終了日時を指定することが出来ます。
アドバンス
・・・有効期限タブの右にはアドバンス設定が行えるタブがあります。「送信先」は通常はSMARTで良いです。SMARTは、全ての取引所から最良の価格で約定することを目指します。
「裁量幅」は良く分かりません。
「ストップ・ロス/プロフィット・テーカー/ブラケットを取り付ける」は、指値・逆指値またはその両方の注文(ブラケット注文)による決済注文のことです。
「One Cancel Another」は、一つの注文が約定されれば他の注文が取り消しとなるように、複数の注文をグループ化するものです。ここに追加された注文と、注文エントリー(チケット)に入力された注文がグループ化し、どれか一つの注文の約定を目指すものです。この中の「オン・フィル」のタブでは、一つが約定した時に他の注文をどのように取り消すかの方法を選択します。→OCA(One-Cancels-All)注文
「ヘッジ」については分かりません。

注文エントリーの「発注」またはアドバンスタブの「証拠金の確認」か「送信」をクリックすると、注文確認画面が出ますのでその後発注ボタンを押せば実際に発注されます。

注文タイプ

注文タイプのリストはIBKRの注文タイプとアルゴリズムを参照して頂ければと思いますが、ここでいくつかの注文タイプについて解説します。

Adaptive(適応アルゴリズム)とMidPrice
これらは、IB独自のアルゴリズム注文です。Adaptive(適応アルゴリズム)は、BidとAskの間で最良の約定価格を目指すもので、初めは有利な価格から注文を出し、次第に不利な価格に注文を移行していくというものです。Adaptive成行注文は最終的には一番不利な価格(買いの場合はAsk)まで移行しますが、Adaptive指値注文は、任意の指値より不利な価格には移行しません。Adaptive注文は、アドバンス設定にて優先度/緊急性の設定ができ、Urgentは素早く約定させたい時に使用し、Normalは通常速度、Patientはゆっくりと時間をかけて最良価格での約定を目指します。後者になるほど有利な価格で約定できる可能性が高いかもしれませんが、その間に銘柄の価格が不利な方へ変動して約定しない可能性も高まります。MidPriceは仲値より有利な価格での約定を目指すシステムですが、詳しい原理は複雑そうで把握できていません。
REL (Relative)
RELは、Relative注文、別名Pegged to Primary注文を指します。これもBidとAskの間で約定を目指すシステムで、こちらと同じ側の注文の最良気配値(NBBO)――Primaryと表現されており、例えば買い注文なら買値(Bid)――よりも常にアグレッシブな価格(買い注文ならAsk側に寄った価格)を提示することで約定可能性を高めるという注文方法です。市場のPrimary価格(買い注文ならBid)が上昇すれば、注文価格もそれに合わせて上昇しますが、Primary価格が下がった際は注文価格を変えません。Primary価格からどの程度離れた水準に注文を出すかという値幅(オフセット値または補助価格)を予め設定します。
Pegged to StockおよびPegged Volatility
これらは、一定のオプションで利用できる方法です。Pegged to Stockは原資産である株式の価格に連動して指値価格を変える注文です。Pegged Volatilityは、Ask,Bid,仲値のIV(インプライドボラティリティ)に一定幅を増減したものに連動して指値を変える注文です。
SNAP...
SNAP MKT(Snap to Market)、SNAP MID(Snap to Midpoint)、SNAP PRIM(Snap to Primary)は、それぞれ「こちらの成行注文対象の最良気配値(NBBO)」、「仲値」、「こちらの成行注文対象では無い方、つまり自分と同じ注文側の最良気配値(NBBO)」を基準に、そこから指定した値幅(オフセット値、補助価格)のところに指値注文を置くというシステムです。RelativeやPegged注文と違い、指値注文は初めに置いたところで固定されます。これは、リアルタイムマーケットデータが見られる状況であれば自分で直接指値注文をするのとあまり変わらない気もしますが、これらの基準価格(参照価格)から確実に一定の値幅のところに指値を置きたいという場合に使えると思います。おそらく安全に行くならSnap to Primaryにオフセット値を設定する注文だと思います。
注文を出した後、オフセット値を変更して再注文する場合は、改めてその時点での気配値が基準になります。

注文チケット

注文エントリー以外に「注文チケット」を利用する方法があります。注文タイプに関して、注文エントリーに表示されるよりも多くの種類が表示されるようです。何故かは良く分かりません。また、注文に条件を付加する「条件付き注文」も注文チケットからのみ行えるようです。
注文チケットは、TWS画面右上のお気に入りやウォッチリストなどに銘柄を入力して表示させ、その銘柄を右クリック→取引→注文チケット とクリックして表示させることができます。また、各種ツール上から発注する際にも表示されます。
注文チケット上でAdaptive(適応アルゴリズム)を選択する場合は、まず注文タイプ欄にて「MKT」か「LMT」を選び、IBALGOタブにてAdaptiveを選択します。LMTで指値をすると、それより不利な価格に指値が移行しません。

条件付き注文

条件付き(Conditional)注文は、設定した条件が満たされた時に注文を発注またはキャンセルを行うものです。私が良く使うのは、特定の別銘柄が約定したら注文を発注する方法です。
これを行うには、条件選択で「取引」を選択し、次の画面で、トリガーとする取引の銘柄情報を入力します。「銘柄」にシンボル名、「取引所」は通常であればANY、「種類」は該当するものを選びます。注意点として、トリガーとする取引がコンビネーション注文またはその一部であれば「Basket」を選択します。

その他

「価格管理アルゴリズム」という機能がありますが、これは有効にしてもしなくてもあまり変わらないようです。米国株は、銘柄によって指値の価格制限があるようです。例えば現在価格から何%以上離れた指値は受け付けないというようなルールが設定されていることがあるようです。この範囲から離れた指値注文を取引所に送信しないという機能のようです。ただ詳しくは分かりません。

また、発注時の確認画面に「指値が制限3%を超過しています」というようなメッセージ(文言は正確に覚えていませんが)が表示されることがあります。これは単にTWSの機能として、誤発注防止の観点から、市場価格から一定以上離れた指値注文に対して警告メッセージを出しているものです。この設定はTWSの設定→プリセット から、株式であれば株式の項目を開き、「予備設定」の欄から変更できます。→Define Precautionary Settings

実際にどの注文タイプを使用するか

実際にどの注文タイプを使うかについて、私なりの解説をいたします。
流動性の高い株式銘柄の場合は、指値(LMT)か成行(MKT)で多くは事足りると思います。
オプション取引の場合、スプレッドが広いのが通常ですので成行は基本的に厳禁です。
指値を使ってBidとAskの間に注文を置いても良いですが、Adaptive(適応アルゴリズム)またはREL(Relative)が使えます。
Adaptiveは、オプションのコンビネーション注文(スプレッド注文)には使えず(使えるようです)、有効期限が当日の注文にしか使えず、「All or None」指定も出来ないようです。RELもコンビネーション注文には使えませんが、有効期限はGTC(キャンセルするまで有効)が選べ、「All or None」も指定できます。RELを使用する場合は、OFS(オフセット、補助価格)が0または任意の値幅を指定します。
RELはスプレッドが狭い銘柄に使えると思います。オフセット値が0の場合、指値は初め、こちらの注文と同じ側のNBBO(最良気配値)に置かれます。市場価格が約定方向に動けば約定し、非約定方向に動けば指値はNBBOに追従します(指値が不利な価格に移行し、約定可能性を維持します)。この場合、約定可能性は不安定で、約定価格もどうなるか分かりません。約定価格が不利な価格に移行し過ぎるのを防ぐために、指値を設定することができます。指値を設定すると、これより不利な価格には指値は移行しません。
RELを使用する場合は、OFS(オフセット値、補助価格)を0より大きい価格にすることで、より安定して約定を狙うことができます。OFSに入れる値幅は銘柄によります。ただし、常時大きめのスプレッドがある銘柄に関しては、LMT(指値)やAdaptiveのほうが良いかもしれません。大きめのスプレッドがある銘柄は、スプレッドの開き具合が時間によって大きく違ったりするので、適切なオフセット値が決めにくいと思います。概ね、最小値幅か+α程度のスプレッドしか開いていない銘柄に関してRELにてオフセット値を最小値幅にすることで、安定した約定を狙うことができます。最小値幅しか開いていない銘柄であれば成行で良いと思うかもしれませんが、概ね最小値幅しかスプレッドが無い銘柄でも、時間によって(特に市場開始時)スプレッドが開くことがあり、それに対処するためにRELが使えます。

Adaptive注文に関しては、私はnormalで行っていますが割と約定が長引くことも多いです。スプレッド内での指値の移行そのものは割と速いのではないかと思います。測定はしていませんが、スプレッド内の最も不利な価格まで移行するのに10~20秒くらいのように感じます(もっと短いかもしれません。詳しくは分かりません。)。※不明慮な情報のため取り消します
ただ、元々スプレッドの最も不利な価格(NBBO)に近いところでしか約定しないものであった場合、仮に指値が最も不利な価格まで到達したとしても、相場がより不利な価格のほうへ少しでも移行していたら約定しない場合が出てきます。つまり、指値が比較的すぐに最も不利な価格へ移行したが約定せず、その価格に留まり続けるということが割と起こっているような気がします。なのでより確実に約定させたい場合はurgentを使用したほうが良いと思います。

通貨の両替

通貨の両替を行う場合は、まず注文エントリー等に通貨ペアを「USD.JPY」のように入力してエンターを押すと入力されます。アドバンス設定にて、送信先を「FXCONV」にします。25000通貨未満の場合、表示されている気配値でのスプレッドよりもコストが上乗せされるようですが、それでも低スプレッドです。スプレッドとは別に取引手数料がかかり、最低取引手数料は2ドルとなります。1000万円以下であれば2ドルだと思います。
また、送信先を「IDEAL PRO」にしたとしても本質的な違いは無く、IDEAL PROの場合はポートフォリオに「バーチャルFXポジション」として表示されますが、これは実際の現金ポジションとは異なる便宜上の表示です。「FXCONV」「IDEAL PRO」どちらも現物取引(両替)です。これはFX会社で主流の差金決済取引とは異なります。差金決済のFXはIBでは「Forex CFD」となり、金利コストが異なる体系となります。現物の為替取引を通常のFX(差金決済)と同じ感覚で売買したい人向けに「IDEAL PRO」ルーティングが用意されていると思われます。
両替のみ行いたいのに誤って「IDEAL PRO」で両替してしまった場合でも、バーチャルFXポジションの表示は消すことが出来ます。TWSの「口座ウィンドウ」→「バーチャルFXポジション」から、該当通貨ペアを右クリックしたメニューからポジションの調整が行えるので、ポジションを0に修正すると翌日になればポジション表示が消えます。

各種ツール

次に、各種ツールについて私の分かる範囲で簡単に説明します。
各種ツールの一覧は、TWS画面左上、注文エントリーの上にある「新規ウィンドウ」ボタンをクリックするか、各種画面やツール上に表示されている銘柄を右クリックする等で表示できます。
私は特にオプション取引に各種ツールを使うことが多いです。オプション取引に使うツールとして代表的なのは「オプション・チェーン」です。

スプレッド取引(コンビネーション取引)を使用すると、同じ銘柄の原資産またはオプションを含んだ組み合わせを一つの注文として発注できます。ただし、手数料はそれぞれ別個にかかります。最低手数料もそれぞれに設定されます。

スプレッド取引を行う場合、「スプレッドトレーダー」が使えます。原資産の銘柄をフォームに入力しエンターを押し、注文先はSMARTを選択します。別画面が開くので、そこでストラテジーを選択します。ここで満期日や権利行使価格で絞り込みを行えますが、一つの銘柄だけが残るように絞り込みを行ってしまうと次の画面へ進めません。そのため、複数の選択肢が残る状態にして先へ進みます。
次にテーブル変数を指定する画面が出ますが、これは表示レイアウトを決めるための設定です。最低一つは「行の変数」をクリックする必要があります。「固定値」は、プルダウンメニューになります。
その設定を終えたら、銘柄一覧が表示されるテーブル画面が表示されます。ここで対象銘柄の買気配または売気配をクリックすると、注文チケットが表れます。同時に、TWS親画面の注文エントリーにも同じ銘柄が入力されます。どちらで注文を行っても良いです。
スプレッドトレーダーは、一定の条件で対象銘柄を絞り込んで比較する用途に向いていると思われます。

その他、スプレッド取引には「ストラテジービルダー」も利用できます。「オプション・チェーン」と「オプショントレーダー」内にもストラテジービルダーを作成できる項目があります。ストラテジービルダーでは、様々なコンビネーション注文を作成することが出来ます。
ストラテジービルダーに株式を追加する場合は、注文入力欄の「アドバンス」→「株式取引単位」をクリックします。
私は、オプションのコンビネーション注文であればこのストラテジービルダーが使いやすいと思い利用しています。

スプレッド取引(コンビネーション取引)は「注文チケット」から直接指定して発注することも出来ます。

オプションをロールオーバーする際は、個別に注文を出すのではなく、一つの注文として出すと便利です。そのために「オプション・ロールオーバー」も使用できます。まず「ロールオーバーするオプションを選択」にて、自身で保有しているロールオーバー対象のオプションをリストアップするための条件を指定します。その後「リストをリフレッシュする」でリストアップされます。「ロール先」項目の右にあるペンマークをクリックすることで、ロール先のオプション選択画面が開きますので、そこでロール先のオプションを選択します。注文を作成するオプションのみにチェックを入れ、「注文の作成」を押下すると注文が作成されます。その後発注という流れです。
オプションのロールオーバーには、スプレッドトレーダーやストラテジービルダーも使用できます。自身がロングオプションのロールオーバーを行いたい場合は、そのオプションの売りに加えて、ロール先オプションの買いを組み合わせる注文を行えば良いです。この例では、同じ権利行使価格ならカレンダースプレッドの買いになります。注文チケットからでも直接注文できます。

オプションの権利行使

オプションの権利行使については2種類の設定があり、権利行使を行うと即座に権利行使される設定と、取引所の締め切り(米国株式オプションは米国時間16:30)までは実際の発注はされず、締め切りまでは取り消し可能になる設定があります。TWSの設定で、注文→設定 から変更できます。デフォルトでは取引所の締め切りまで発注されない設定かと思います。

Tax Optimizer

IBでは、決済する建玉の優先順位をどの方法に基づくかを「Tax Optimizer」を用いて指定することが出来ます。しかし日本の税制上、株式については決済時の原価を「総平均法に準ずる方法」によって計算すると決められているので、IB側による指定には意味がありません。また、株式・指数オプションも同じく「総平均法に準ずる方法」によって計算することになると思われますので意味がありません。
先物・Forex CFDなど、差金決済方式による商品は日本の税制上、特別に決済時の原価の計算方法が定められていないので、IB側による指定に従うことになります。なのでTax Optimizerが使える場合は有効です。
税制と確定申告については次の記事でまとめていますので良ければ参考にしてください→ 海外証券会社(Firstrade証券、IB証券など)の税制と確定申告
IBでは決済の優先順位はデフォルトでは「先入先出法」となり、古い建玉から順番に決済する方法です。
Tax OptimizerはTWSの口座→税→Tax Optimizer または、TWSのポートフォリオ欄にある銘柄を右クリック→建玉を変更 から起動できます。Tax Optimizerでは個別の取引ごとに、決済順序を指定できるようです(試したことが無いので詳しくは分かりませんが)。Tax Optimizerを使用することで年度内の実現損益を調整できます。日本の税制上、米国IB証券を使用した取引では、年度内の実現損失は来年度へ繰り越せないため、実現損失はなるべく少なくするのが良いです。一方で利益が出ている場合はどの程度の実現利益を出せば良いかは状況によります。

QooQ