2021.4更新
ここでは電動歯ブラシの有用性についての考察と、各製品の具体的なレビューをしていきます。
私が今までに使った電動歯ブラシは以下です。
デンターシステマ 音波アシストブラシ
デンターシステマ ビブラートケア (販売終了?)
ソニッケアー ヘルシーホワイトプラス HX8911
パナソニック ドルツ EW-DL35 (2021年4月追記)
結論から書きますと、個人的には「デンターシステマ ビブラートケア」か「パナソニック ドルツ」がこの中では好みです。
電動歯ブラシの一番の問題点は、「歯間」を初めとした隙間が苦手なことだと思います。
ブラシは振動していると歯にあまり押し込めず、はじき返される感じがあり、毛先が隙間の奥まで入りづらいと感じます。
また、電動歯ブラシの使い方としては「歯に強く押し付けないで磨く」ことが推奨されています。押し付けると刺激になったり、歯垢除去力が落ちたりするという理由です。
しかし、これでは歯の表面はツルツルに磨けても、隙間までは毛先が入りません。
そのため、歯間対策としては手磨き以上にデンタルフロスの使用が必須になると思うのですが、それでも歯ブラシによるブラッシングの段階で出来るだけ歯垢を満遍なく落とせた方が良いです。
私の経験上、デンタルフロスだけに頼ってもなかなか歯間汚れは落ちません。私は毎日デンタルフロスを正しい使い方で使用していましたが、それでも歯医者に行けば歯間汚れが磨けていないと言われることが多かったです。そのため、歯ブラシによるブラッシングの段階である程度歯間汚れを除去することが重要だと思っています。
特に、隙間の歯垢除去力に疑問があるのは「ソニッケアー」なのですが、ソニッケアーでは「手磨きよりも何倍も歯垢除去率が高い」、「音波水流で歯間汚れも取れる」、という宣伝をしており、これらはかなり疑問に思います。
もしかしたら、「適切な使い方」をすれば本当にそうなるのかもしれませんが、今まで私が試行錯誤した限りでは隙間の汚れが取れません。メーカー推奨の磨き方(強く当てず、ゆっくりと歯列にそって移動させる。ブラシの突起を歯間に入れるように注意して磨く。)でも汚れが落ちません。
どうしても、ブラッシング後にデンタルフロスを入れると歯垢がけっこう付いてきます。
後述しますが、これはソニッケアーのブラシ形状が独特であることも一つの大きな原因だと思います。
「手磨きよりも何倍も汚れが落ちる」という宣伝はソニッケアーに限らず他の電動歯ブラシメーカーも行っている感じですが、これには疑問を感じており、基本的に、電動歯ブラシは歯間を初めとした隙間が苦手だと思います。
ではどういった電動歯ブラシで、どのような磨き方をすれば良いかというと、現時点で私の意見としては、
「素直な形状で、毛足が長く、極細毛のブラシ」を採用した電動歯ブラシを用い、一定間隔で毛先を歯の隙間に押し込むように磨くという事が考えられます。ただし、「毛先を押し込む」という方法は電動歯ブラシに負担がかかることも考えられます。
しかし私の経験上では、押し込まずに磨くだけではどの電動歯ブラシでも歯間汚れが残ります。
「ビブラートケア」は、いくつかの欠点はあれど(詳細は後述します)、ブラシは「フラット形状、毛足が長く極細毛」であり、かつ振幅はソニッケアーよりも小さいため、隙間に入りやすいと思います。ただし、ここで言うブラシは「ブラシM」のほうであり、「ブラシS」は毛足が短いです。
そして、パナソニックの「ドルツ」も素直な形状の極細毛ブラシを使えます。こちらは二段植毛になっていますので、ビブラートケアのブラシよりも更に隙間が得意です。
ただし、振動の方向がブラシの「縦」方向であり、つまり歯列に普通に横向きに当てると「歯と歯茎の間、歯周ポケット」には沿う形となりますが歯間には直角方向の振動になりますので、通常の横向き振動タイプよりは歯間に入りづらい印象は受けます。
逆に歯周ポケットには適しているので、やはりドルツは歯周病予防に力を入れた電動歯ブラシだと言えると思います。
また、私は歯茎が弱く、例えばGUMの「やや柔らかめ」歯ブラシが痛くて使えない程度の過敏さです。
システマの歯ブラシなら「普通」で使えています。
電動歯ブラシの刺激についてもレビューの中で触れます。
ブラシの比較
※パナソニックのドルツは後から追記したため、この比較には載せていません。
左から、「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン」、「ソニッケアー プロリザルツ」、「デンターシステマ ビブラートケア ブラシM」、「同ブラシS」、「デンターシステマ 音波アシストブラシ」、「参考用歯ブラシ(大きめ)」です。
デンターシステマの電動歯ブラシは、手磨きのデンターシステマ歯ブラシとほとんど共通したブラシを使っています。このブラシの特徴は歯ブラシで書きましたので良ければ参考にして下さい。
ビブラートケアのブラシMが標準的なデンターシステマのブラシで、ブラシSが毛先の短い版です。
音波アシストブラシのブラシはフラット植毛では無く、真ん中が凹んでいる凹型になっている点が違いますが、それ以外はデンターシステマのブラシの特徴を受け継いでいます。
ソニッケアー プロリザルツは手で触った感じではダイアモンドクリーンよりもやや柔らかめに感じます。
ダイアモンドクリーンは毛が密集しているためか、やや固く感じます。
デンターシステマのブラシは先細毛であり、同じ土俵で比べる事は出来ませんが、手で触った感じではプロリザルツよりもデンターシステマの方がやや柔らかいかと思います。
毛足の長さに違いがあり、ソニッケアーのブラシ全般よりデンターシステマの方が長いです。
ソニッケアーのブラシは良く「大きい」と言われますが、確かに縦の長さはあるのですが、横幅が少なくスリムです。
また、写真を見て分かる通り、ブラシヘッドの柄の太さが違います。
最も細いのは音波アシストブラシで、これは手磨きの歯ブラシのものより細いです。
ソニッケアーのブラシヘッドの柄も細めです。
ビブアートケアのブラシヘッドの柄は太めです。
この違いは、口の中でのブラシの移動のし易さに影響するように思いますが、柄が太い方が振動の安定性には寄与するかもしれません。
より重要なのはブラシヘッド自体の大きさです。
ブラシヘッドの厚みを見てみると、音波アシストブラシとソニッケアーは薄めで、ビブラートケアはやや厚めとなっています。
ビブラートケアでも奥歯の奥は私の場合、一応磨けますが、より薄いブラシヘッドのほうが簡単に奥まで入ることは確かだと思います。
(2016年8月2日追記)
ソニッケアー センシティブブラシ(スタンダード)、インターケアブラシ(スタンダード)を購入したので写真upします。
プロリザルツは比較用です。
見て分かるように、センシティブブラシの大きさはプロリザルツとほぼ同じです。
インターケアブラシはやや小ぶりです。
手で触った感じではセンシティブブラシはプロリザルツと比較して一段柔らかいのですが、自分としては丁度良い柔らかさに感じます。
インターケアブラシはプロリザルツよりもやや固めです。
各ブラシの使用感などは後述してあるソニッケアー ヘルシーホワイトプラスのレビューの中に書きます。
(追記ここまで)
本体の比較です。
上から、手磨きの歯ブラシ(参考用)、音波アシストブラシ、ビブラートケア、ソニッケアー ヘルシーホワイトプラスです。
デンターシステマ ビブラートケアは電動歯ブラシとしてはスリムで軽量です。
その代わりバッテリーの容量が少なく、満充電からゼロになるまでの期間が短いです。
音波アシストブラシはとてもスリムで持ちやすく、通常の歯ブラシと同じ感覚で扱えます。
次に、製品を個別に見ていきます。
デンターシステマ 音波アシストブラシ
この製品は、手磨きの歯ブラシと同様に手で小刻みに動かすタイプで、振動は補助的なものとなっています。
私は歯茎が弱いのですが、この製品の振動は弱く、基本的に問題はありませんでした。
電動歯ブラシとしては最も振動の弱いタイプだと思われます。
歯のツルツル感は手磨きよりも明らかに向上しました。
また、電動歯ブラシ特有の歯肉へのマッサージ効果もあり、手磨きの歯ブラシを使っていた時と比べると歯茎が引き締まる感じがありました。
1年以上使用しましたが、歯茎の後退や知覚過敏は起きませんでした。
この製品の特長は何といっても通常の歯ブラシと同じ感覚で扱える事です。
本体のコンパクトさ、軽さ、ブラシヘッドの細さなど、口の中での取り回しが良いです。
ただし見逃せない欠点があり、それはブラシの形状が真ん中だけやや引っ込んでいるという形になっており、狙ったところに毛先が届かない可能性があると思う点です。
バッテリーは電池式で、私はエネループを使用していました。
1日10分の使用で、1か月は一回の充電で持ちますが、次第にパワーが弱まるのでもっと頻繁に充電しても良いと思います。
替えブラシの交換コストは高くありません。
一本の値段は手磨きのデンターシステマ歯ブラシの値段と大差ありません。
替えブラシの交換の時期も、手磨きのブラシと同じく一か月を目安にすれば宜しいかと思います。
電動歯ブラシだからと言って、取り立ててブラシの消耗が早くなるとは感じません。
私が購入した時は、替えブラシは一種類しかなかったのですが、今では「柔らかめ」モデルがあるそうです。歯茎の弱い人はそちらでも良いかもしれませんが、通常タイプでも柔らかめなので私は平気でした。
デンターシステマ ビブラートケア
この製品は音波アシストブラシと比べるとより本格的な電動歯ブラシです。
パワーは上昇しており、ノーマルモードで5段階調節が出来ます。
その中の最も弱いレベルが、音波アシストブラシと同じ程度だと言っても良さそうです。
しかし、ビブラートケアは「ソニッケアー」よりはパワーは明らかに落ちますし、「ブラウン」「ドルツ」などの他のメジャーなメーカー製と比べてもパワーは落ちるでしょう。
マルチアクション振動ということで、ノーマルモードは横振動に奥行振動(歯を叩く振動)が組み合わさった振動です。
歯を叩く振動があると、それだけ歯茎に刺激になります。
ブラシがテーパード毛(極細毛)であることも手伝って、チクチクしやすい感じになります。
そのため、あまり振動のパワーを上げ過ぎると刺激が強くなりすぎるため、私が使う分にはノーマルモードの3が限界です。
振動モードには、ノーマルノード以外にも様々なモードがありますが、今一使いどころが分かりません。
「ワイドスイング」モードは、ほとんどパワーを感ませんでした。
「ポイントスイング」モードは、奥行き方面(毛先方面)への振動を強化したモードで、毛先の届きにくい部分まで届かせる事を意図しています。毛先で歯茎を叩く事になるため、刺激がかなり強かったです。普通に手で、歯へ押し込むようにしたほうが良いと感じます。
「マッサージスイング」モードは、「ワイドスイング」と「ポイントスイング」を一回ずつ交互に動かすモードで、歯茎のマッサージに良いらしいですが、とにかく回転が遅く、手で動かした方が早いです。
モードは多彩ですが、ノーマルモード以外はどれも実用的では無いように感じました。
音波アシストブラシと比べて特に歯のツルツル感は向上しませんが、ブラシを歯に押し付けても振動が安定していること、パワーがあるのでより効率的に磨けることは利点です。
歯の隙間にブラシを押し込むようにして磨いても、強く刺激になるという事はありません。
また重量も、音波アシストブラシほどでは無いものの、電動歯ブラシの中では最軽量だと思われます。
ブラシ形状はアシストブラシのものよりも素直で好感が持てます。
デメリットとしては以下です。
・ブラシヘッドの厚みが多少あるので、奥歯の奥まで届かないことは無いものの、やや不得手。
・バッテリーの、一回の充電による持ちが悪い。私の場合、1日6分の使用で5日程度持つ。公称値も30分となっている。
・バッテリーはニッケル水素電池のため、リチウムイオン電池と比べて寿命が短い。
まとめると、ブラシが優れていることや強さの段階調節ができること、重量が軽いことなど、アドバンテージはあるのですが、同時にいくつかの欠点もあるという評価になります。
ヘッドの厚みに関しては、ヘッド部分に何か埋め込んで振動を強化させているようなことがどこかに書いてあった覚えがあり(定かではありませんが)、もしそうだとしたら、それが原因かもしれません。
ビブラートケアはソニッケアーのように歯の表面をツルツルにするタイプではありませんが、ブラシは歯の隙間に入りやすい仕様となっており、「歯を満遍なく磨く」という目的を達成するには適している電動歯ブラシだと思います。
ソニッケアー ヘルシーホワイトプラス
現時点で1年以上使用しました。
ブラシのレビュー
今までに、プロリザルツ(スタンダード)、インターケア(スタンダード、コンパクト)、センシティブ(スタンダード、コンパクト)、ダイヤモンドクリーン(コンパクト)、プラークディフェンスを試しました。
ソニッケアーのブラシの特徴としては、当ページ上部に載せた写真を見てもらえれば分かる通り、必ず突起部分と凹み部分があるという立体的な構造になっているということです。
歯間へ毛先が入りやすいような形状にしているのだと思いますが、突起部分を狙い通りに歯間に届かせるにはピンポイントにブラシを当てなければならず、これが難しいと感じますし、仮に上手く当てられたとしても毛が密集しているため、隙間の小さい歯間には入らない感じがあります。
また、凹み部分があるために、狙ったところにしっかりとブラシが当たっているのか、磨き残しが無いのか分からず不安になります。
このように、凹凸のある立体形状ブラシは個人的には磨き辛いと感じます。
特に歯の裏側に関しては、ブラシの形状と合っていないため磨きにくいです。
ただ、これは人によるのかもしれません。
次に、個別のブラシについて見ていきます。
プロリザルツはもっとも立体的な作りになっています。
3か所突起が強く出ており、それが歯茎に当たると少々痛いです。
毛足の固さ自体は普通です。
この中ではもっとも奥歯の奥まで毛先が届きやすいです。
インターケアは、やや固めに感じます。
ソニッケアーのブラシの中では素直な形状で、比較して全体的に磨きやすいと感じました。
歯の裏側も、割と磨きやすいです。
突起部分も尖ってはいないので、プロリザルツのようにチクチク当たるという事もありません。
ただ、肝心の歯間部への効果は微妙かもしれません。
歯間が広い場合は良いのですが、狭い所には毛が入っていきません(毛が密集していて固いため)。
また、奥歯の奥を磨くのには適しません。突起がブラシの先端に付いていないためです。
センシティブは、敏感な人用の柔らかめのブラシです。
プロリザルツほどではないにしても立体構造になっているため磨きにくいのは同じです。
コンパクトモデルは両端が突起になっており、比較的歯間にも毛先が届きそうです。
ダイヤモンドクリーンはコンパクトしか使っていませんが、固さは普通です。
両端が突起になっているのはセンシティブのコンパクトと同等ですが、少し突起の高さが低く、また、やや特殊な形状の突起のため(文面で説明しにくいですが)、センシティブのコンパクトよりは歯間は苦手そうです。
また、突起がより尖っているため歯茎に当たると痛い感じがあります。
ただし、ソニッケーのブラシの中では個人的にはセンシティブのコンパクトと並んで一番良い(マシ)と思います。
プラークディフェンスは固さは普通です。
先端に突起があるのですが、突起が太く、歯間に入っていきません。
また、一束だけの突起であるため、突起を歯に当てるとあちこちに毛先が飛んでしまい安定しません。
個別のブラシ解説は以上です。
歯ブラシは柔らかめのほうが柔軟性があり、それだけ歯に満遍なく毛先が当たりやすいと思います。
ソニッケアーのブラシは割と固めで柔軟性が無いのが特徴です。
歯に刺激になるかどうかですが、私はセンシティブで慣れた後は、固めのインターケアや、普通のダイヤモンドクリーンなどでも普通に磨くことは出来るようになりました。
ただし、ブラシの先端が歯茎に当たって痛いということは時々起こります。
ブラシは少し硬めですが、ソニッケアーの振動は歯茎に優しいと思います。
電動歯ブラシの使用感
購入前はソニッケアーの振動の強さがどの程度か分からず、歯茎への刺激の程度が分からなかったので強さ調節の出来るモデルを購入しました。
このモデルは三段階調節が出来ますが、もっとも強いモードが通常のモードです。
ソニッケアー製品は最下位モデルの「イージークリーン」「プラークディフェンス」でも基本の振動は変わらないとされています。
実際に通常モードで使ってみると、振動のパワーの割には刺激が少ないように感じられます。
「センシティブモード」と、更に弱い振動のモードについてですが、これらのモードは、通常モードと比べて振動数は同じなのですが、振幅の幅が小さくなります。目視で確認しました。
イージースタート機能は恐らくその反対で、振幅の幅が同じでも振動数が抑えられ、そこから段階的に振動を上げていく機能です。
通常モードとセンシティブモードに大きな違いはありませんが、一番弱い振動のモードは、かなり振動が弱くなるので本当に歯茎の弱い人向けか、もしくは手で細かく動かしながら磨くのに適しているかもしれません。
ただ、歯茎への刺激への対処としては、振動を弱くするよりもまずブラシを柔らかいものにする方が良いと思います。
ブラシが固すぎて痛い場合はセンシティブモードでも駄目だし、更に弱い振動のモードではパワー不足です。
適切な柔らかさのブラシを選んだ場合であれば、電動歯ブラシは手磨きよりも必ずしも刺激になる訳では無いように思いました。
歯間部の清掃能力
歯間の汚れは苦手だと思います。
前述のとおり、ブラシの突起部分をうまく歯間に当てはめられれば良いのですが、それが個人的に難しいです。
「デンターシステマ」などの毛足が長く柔軟性のある歯ブラシでの手磨きのほうが、歯間部の汚れ落ちは良い気がします。
ただ、どちらにせよ歯間部の汚れはブラシだけでは完全には落ちないのでデンタルフロスは使った方が良いと思います。
磨き方
公式の説明では、最小限の動きで磨く事が推奨されています。
最小限の動きとは、ゆっくりと横滑りさせるだけの磨き方です。
しかし、ソニッケアーのブラシの大きさでは「歯と歯茎の間」「歯全体」を一回ではカバー出来ないので、少しは縦に移動させながら磨かなければいけません。
公式では最小限の動きでの磨きが推奨されていますが、上前歯の歯間は、ブラシを横滑りさせるだけでは明らかに落ちていない場合があります。いくらブラシの当て方を工夫してもそこは改善されません。
また、ソニッケアーはブラシ形状が立体的なので、ブラシをあまり動かさない場合、磨き残しが無いか不安になります。
磨く場所を少しずつ変えながら、歯の隙間に一定間隔で押し込みながら磨くのが良いように思います。
ソニッケアーは、幅広い振幅と高速振動によるパワーが特徴かと思いますが、パワーに任せて歯列をなぞるだけでは歯の表面しか汚れが取れないと思います。
まとめ
ソニッケアーは、振動の質は良いと思いますがブラシ形状には疑問です。
振動についてはパワーが強く、かつ刺激になりにくいです。
振動音については全く気になりません。静かな上、不快な音ではありません。
ブラッシング中、口の中の水分が周りに飛び散るというレビューも見られますが、確かに若干飛び散ります。
歯医者の時のように激しくは飛び散りません。
次に、仮に購入検討される場合、どのモデルを選べばいいかという点についてです。
様々なモデルが発売されていますが、基本機能だけなら「イージークリーン」で十分です。
ソニッケアー製品は、どのモデルでも基本の振動(クリーンモード)は同じです。
ただし、「プラークディフェンス」は、「イージークリーン」の後継機ですが、店舗で確認したところ、振動の質が異なっていました。
他のモデル(ヘルシーホワイトやフレックスケアープラチナ)と比較したのですが、ブラシを手に当てた際、「プラークディフェンス」だけ、刺激が特別強かったです。
目視でブラシの振動の具合を確認すると、他のモデルは横振動が大きい割に前後振動(毛先方面の振動)が小さかったのですが、「プラークディフェンス」は前後振動も大きかったです。
2店舗で確認したので確かだと思われます。
「プラークディフェンス」ではメカの仕様が変わっているので、その影響だと思います。
振動音も他のモデルと比べて大きくなっています。
また、「プラークディフェンス」はニッケル水素電池を採用しており、他のモデルはリチウムイオン電池を採用しています。
ニッケル水素電池はメモリー効果があり、また、寿命の面で劣ります。
特にパワーが強いものが良いという人で無ければ、在庫がある限りは「イージークリーン」をお薦めします。
ただし、比べれば違いがあるというだけであって、「プラークディフェンス」が単純に悪いと言っている訳では無い事をご了承ください。
歯茎が弱く、刺激が心配な人は強さ調節の出来る「ヘルシーホワイト」もしくは「ヘルシーホワイトプラス」が良いと思います。
私の場合は、センシティブブラシであれば通常モードでも問題ありませんでしたが、誰でも大丈夫だとは言い切れません。
「ヘルシーホワイト」でも強さ調節の出来ないモデルもあるので注意して下さい。
パナソニック ドルツ
現時点で少し使用しました。
ブラシは極細毛ブラシしか使っていません。このブラシは柔らかめで柔軟性がある上に二段植毛なので、かなり歯の隙間に入っていきそうな点が利点です。
ただし振動が縦方向であるため、歯間には直角方向の振動となるため、それだけ歯間は苦手だと感じますが、極細毛ブラシであることでそのデメリットもある程度相殺されています。歯周ポケットには最も適したモデルだと思います。
振動についてはソニッケアーほどではなくても、十分なパワーが感じられます。
ビブラートケアとの違いですが、ビブラートケアは横振動と奥行振動(歯を叩く振動)が組み合わさった振動のため、歯茎への刺激がやや強めだと感じられる点があります。テーパード毛(極細毛)ブラシなので尚更チクチクしがちです。
ドルツはソニッケアーと同じく、基本のモードでは奥行振動はありません。また、振動数もソニッケアーと同じく30000回/分を超えており、また、一定以上の圧力を検知すると自動的に振幅を抑え、パワー(振動数)を維持する機能が備わっています。
そのため、ドルツの振動性能はビブラートケアよりも高いです。
バッテリー持ちに関しても90分と、十分に実用的です。
ドルツはいくつかグレードがありますが、基本機能のみで良いならエントリー機種のDLシリーズで良いと思います。
上位機種には「たたき磨き」という毛先方向の振動を加えたモードも使えます。これはビブラートケアと似た感じになります。私は試したことはありませんが、恐らく歯茎への刺激は増すと思います。その他、細かな違いもあります。
また、お手軽モデルと言って、振動の程度が弱いモデルもありますのでご注意ください。
バッテリーについて
電動歯ブラシのバッテリーについてです。
ビブラートケアはニッケル水素電池、プラークディフェンス以外のソニッケアー製品はリチウムイオン電池、ドルツもリチウムイオン電池です。
ニッケル水素電池はメモリー効果があり、毎回同程度の電池残量のところで充電をしていると、その位置を覚えてしまい、その位置で急激にパワーが弱くなるというものです。
これはリフレッシュで解消できます。
一度バッテリーを空にした後、満充電する事です。
リチウムイオン電池にはメモリー効果がほとんどありません。
両者に共通する特徴として、過充電と過放電の状態で寿命が低下するというものがあります。
また、高温下でも寿命が低下します。
特にリチウムイオン電池は、満充電に近いとそれだけ寿命が低下するという特徴があります。
どちらの種類のバッテリーであれ、ずっと充電器に刺しっぱなしという状況は、寿命を縮めます。
そのため、例えば、リチウムイオン電池であれば60~80%まで充電したら切り上げる、ニッケル水素電池であれば満充電かそれに近くなったら切り上げる、そして両者とも電池残量が10~30%になったら充電を開始する、といった使い方が良いと思われます。
ソニッケアーの説明書には、「リチウムイオン電池にはメモリー効果が無いため、充電器刺しっぱなしでも寿命に影響しない」という旨の事が書かれていますが、適当過ぎると思います。
メモリー効果の有無と、バッテリーの寿命はまた違う話です。
電動歯ブラシはどのメーカーが良いか
手動に近い電動アシストブラシは別枠として、今のところ「パナソニック ドルツ」が良いのではないかと思います。「ビブラートケア」はブラシが優れており、軽くて磨きやすいですが、バッテリーが貧弱で寿命が短そうなのが難点です。
ソニッケアーは振動性能およびバッテリー性能は素晴らしいと言えますが、ブラシ形状が特殊すぎて磨き残しが出る不安が常に付きまといます。私は1年以上使いましたが一向に慣れませんでした。ただ、人によっては上手く使いこなせるのかもしれません。
ここでレビューしなかったブラウンについてですが、このメーカーは回転ブラシであり、これの良し悪しは実際に使っていないので分かりません。
私が調べた限りの情報によると、ソニッケアーよりも毛先が歯を満遍なくカバーできるようですが、ブラシヘッドが厚いため、奥歯を磨くのは苦手なようです。また、刺激もそれなりにあるという情報が多いです。
結局、電動歯ブラシは必要か
電動歯ブラシは高速で振動(ブラウンなら回転)するという性質上、毛先が当たった部分の汚れ落とし能力は高いです。
しかし、高速で振動(回転)しているということは、あまり強く歯に押し付けられない、つまり毛先は歯間の奥まで届きにくいということになります。
そのため、歯間については手磨きの歯ブラシよりは苦手だと感じます。
ソニッケアーは音波水流もうたっていますが、効果が無い訳ではないと思うものの、実際に試すと分かる通り、あまり頼れる性能ではありません。
このように歯間の汚れ落とし能力が弱いことから、電動歯ブラシでは特に磨き方に注意が必要だと思います。また、デンタルフロスの使用も必要だと思います。
毎回デンタルフロスを使うのが面倒だという人は、電動歯ブラシではなく、歯間に良く届くタイプの手磨きのブラシを使った方が良いです。
それでも、できればデンタルフロスは定期的に使った方が良いと思いますが。
そのため、一概に電動ハブラシが楽だとは言えないのですが、手を細かく動かす必要の無い部分は楽ですし、もともとフロスを使う人にとっては電動歯ブラシは適しているかもしれません。
それでも電動歯ブラシに関しては、できれば歯間や歯周ポケットなどの隙間に届きやすいブラシを採用したものが良いと思います。
具体的には、「形状が素直」「毛足が長い」「極細毛採用」「固すぎない」といった要素のあるブラシです。
歯の表面は多少磨けなくても虫歯にはなりにくいですが、隙間は磨けていないと虫歯になりやすいです。
歯の表面はツルツルにならなくてもいいから、歯の隙間まで満遍なく毛先が届きやすいものを選ぶべきだと私は思います。
また、電動歯ブラシの利点としては「歯茎へのマッサージ効果」「意外に歯肉への刺激になりにくい」というものがあると思います。刺激になりにくいという点については、歯へ叩き付ける方向の振動である「たたき磨き」があると少し別なのですが、それが無ければ、意外と手磨きよりもかえって歯肉を傷めにくいように個人的には感じます。手磨きよりも歯に押し付ける圧力が少ない上、振動があることによって、歯肉へ深く毛先が刺さりにくいということがあるように思います。