キリン「アルカリイオンの水」のPHを測ったら中性?

2019/04/18

未分類

キリンの「アルカリイオンの水」は、天然水をアルカリイオン化した飲料水で、PHが8.8~9.4と表記されています。
主な作用に胃腸の調子を整えるというのがあるようです。
しかし、PHが9前後というのは割と高めのアルカリ性で、重曹水よりも高く、経験上ではこの程度のアルカリ性の水になってくると、肌に触れると若干の刺激を感じるように思います。
しかしこの「アルカリイオンの水」は、普通の水と何ら変わらず、口に含んでも何の刺激もありません。
私は「アルカリイオンの水」を洗口液として、口内の酸性度を元に戻すためにも使っていたのですが、ある時疑問に思い、PH試験紙にてPHを測ってみました。
するとPHは7と出ました。これは中性です。ボトルを開けたばかりのものを測りました。
この試験紙は重曹水やお酢などの溶液にはしっかりと反応するので、試験紙が古くて機能していないといったことは無いと思います。

キリンに問い合わせたところ、
・PHの正確な測定にはガラス電極法を使用する
・なぜPH試験紙でアルカリイオンの水だけは反応しないのかは分からない
といった回答でした。

そこでネット上で更に調べたところ、溶液の「緩衝性」というものの影響だということが分かりました。
私は化学のことは全く分からないのですが、分かった限りで説明します。
溶液には緩衝性(緩衝能)が高いものと低いものがあり、緩衝性が高いと外部から酸・アルカリ性のものが加えられてもPHが変化しにくい、逆に緩衝性が低いと少しの影響でPHが変化しやすい、ということのようです。
「アルカリイオンの水」は緩衝性が低く、少しの外部からの影響でPHが変化してしまうということのようです。
特に、強アルカリ性または強酸性の物質を薄く希釈した水溶液は緩衝性が低く、アルカリイオンの水はこういった形態に当てはまりそうです。
PH試験紙では、PH試験紙自体のPHが影響してしまうため、こういう緩衝性の低い溶液のPHを測る事はできないらしいです。
つまり、PHが高くても緩衝性が低ければ、PHがすぐに低下してしまうことになります。PHが高くても酸性の物質の中和性能は低いということだと思います。
今まで私ははPHの高低によって中和性能は決まるものだと思っていましたが、どうやらそれだけでは無いらしいということです。
なので「アルカリイオンの水」はPHは9前後だが緩衝性は低く、酸の中和性能も低いということになり、多量に飲んでも胃酸を中和し過ぎたりはしないと言えそうです。
逆に、洗口液として口内の酸性を落ち着かせる用途には向かなそうです。重曹水のほうがPHは低いですが、緩衝性があるので重曹水のほうが中和能力は高いようです。
PH試験紙では緩衝性の低い溶液のPHは測れませんが、ガラス電極法を採用したPHメーターなら正確に測れるようです。ただしPH=「酸やアルカリの中和性能」ではない、というのが私が調べた結論です。

掃除に使われる「アルカリ電解水」についても、「アルカリイオンの水」と同じ原理だと思いますので、PHが高い割に緩衝性が低く、酸性物質の中和作用はあまり無いのではないかと思います。重曹水や、炭酸ナトリウム水などのほうが中和作用は強いのかもしれません。
もっとも、汚れを落とす作用については中和作用だけでは無いみたいので、総合的に見て汚れを落とす作用が少ないとは言えません。

t f B! P L

関連記事

0 件のコメント:

コメントを投稿

QooQ