私は花粉症対策のために空気清浄機(日立製EP-LVG70)を購入し、使用しています。
その感想と、他社製品との比較についてここでは書こうと思います。
まず、花粉症対策としては空気清浄機は有効です。
部屋の換気をした後に窓を閉め、空気清浄機を回して清浄してしまえば、私の場合、花粉の症状はあまり出なくなります。
今回は空気清浄機の選び方、メーカーごとの違いについて書きます。
日立LVG70のデザインは良いです。
前面は全面ガラスパネルで、各種表示はインジケーター式、操作はタッチパネル式です。
重量はありますが横移動できるキャスターが付いていますし、本体左右に取っ手があるので持ち運びは割と容易です。
背面吸気なので若干、壁と離して置く必要はあります。
上位機種のLVG90との主な違いは、ターボ運転時の風量がLVG90のほうが大きい事と、プレフィルター自動おそうじ機能がLVG90にしか付いていない事です。LVG90のほうが奥行きが大きいです。水タンク容量に違いはありません。
ターボ運転とは最大運転のことで、それ以外の弱~強運転の能力に関してLVG70とLVG90で違いは無いようです。
ターボ運転は結構な音がしますので、同じ部屋にいると煩いです。
強運転だと、同じ部屋に居ても問題ない程度の煩さである代わりに空気が一周して清浄完了するまで時間がかかります。
6帖の部屋で使っていますが2、30分かかります。
LVG90のターボ運転はLVG70のターボ運転と比べて能力が上がる代わりに、仕様を見る限りでは騒音もさらに上がります。
プレフィルターの自動おそうじ機能については、私はLVG90を持っていないので使ったことはありません。
ただLVG70でもプレフィルターの掃除はあまり面倒では無いと思います。
部屋の掃除のついでに濡れぞうきんで、フィルターを軽く擦るだけで埃が綺麗に落ちます。
このフィルターに限りませんが、フィルターの汚れは掃除機のブラシではなく濡れぞうきんで擦る方法でも綺麗に落ちます。
空清のみであれば普段の手入れはプレフィルターの掃除だけなので、メンテナンスは最も簡単な部類だと思います。
ダイキン製のものは電気集塵式のために本体内部が汚れやすく、それだけユニットの手入れが必要です。※現行品は改善されています。
その代わり集塵フィルターの交換時期を延命する仕様らしいです。
この日立製の空気清浄機はパナソニックやシャープ、ダイキン製などのようにナノイーとかプラズマクラスターなどのイオン放出(?)機能は無く、単純に埃を取り除き脱臭するだけです。
また、パナソニック製は風量の段階が3つしかなく、日立製の「強」風量に相当するものが存在しません。
一番使い勝手が良いのが「強」風量だと思うので、そこはマイナス点だと思います。
爆音であるターボ運転を使わない場合には中運転を使うことになり、その場合日立製の強運転よりも運転能力が落ちます。
ダイキン製は日立製よりも一段階多い5段階です。
花粉に関しては、パナソニック製は前面下部に吸引口を設定したり、排気口のルーバーを工夫したりして花粉吸入効率を高める工夫をしています。恐らく各社の中でもっとも花粉除去にこだわっています。実際の効果は私には分かりませんが。
日立製にも花粉モードはありますが特にそういった工夫は見られません。
日立製を使っていて疑問に思うのは、通常の空清モードではフラップ(排気口)が真上を向き、斜め前方に向かないことです。
真上へ排気するだけだと、部屋の隅まで空気循環が起きにくい気がします。
実際に6畳の部屋の端付近にこの空気清浄機を置き、私自身は反対側の端付近に居るとき、空清モードでは「強」風量であっても風を感じません。
しかし、花粉モードとPM2.5モードではフラップが斜めになり、「中」風量であっても部屋の反対側まで風を感じます(ただし6畳の部屋)。しかし問題として、これら花粉モードとPM2.5モードでは風量の手動調整が出来ません。
花粉モードでは、開始時点の数分は強風量で回され、部屋の空気循環を促してセンサーを花粉に反応させる仕組みなのですが、センサーが赤まで反応しない限り、その後中風量に落ちてしまいます。
私の場合ではオレンジまでの反応になることが多いので、そうすると中風量に落ちたまま回され、清浄に時間がかかります。
花粉が多い時期はセンサーは赤まで反応しますが、オレンジから赤になるまで時間がかかるため、センサーがオレンジ止まりのうちに中運転まで落ち、その後しばらく経って赤に変わり、強運転に戻るという有様です。
センサー感度を最高にしてもこの症状は変わりません。
花粉モードのプログラムをもっと実用的なものに変えるか、もしくは手動で風量の調節を行えるようなシステムにしたほうが良いと思います。
まとめると、日立製の空気清浄機は、フラップ(排気口)が斜めになる花粉モードまたはPM2.5モードでは安定して強以上の風量が出ず、通常の空清モードではフラップが上向きになります。つまり遠くまで風を届かせる事が苦手かもしれず、その場合は広い部屋の清浄に向かない、もしくは時間がかかります。ただし部屋の中央付近に置くのであれば、この空清モードでの上向きフラップはむしろ適していると思います。
パナソニック製であればターボ風量を使って斜めフラップでの運転が可能なので、うるさいであろう事は差し置いて遠くまで風を飛ばせるという基本的な目的は達成できます。ただしパナソニック製の運転プログラムは、本体を部屋の端付近に置いて使うことを想定して作られているので、逆に部屋の中心付近に置いて使うには向きません。一応、手動で「におい・煙」用運転を選択すればフラップは上向きになるので使えないわけでは無いと思いますが。
ダイキン製は手動でフラップの向きを変えられる機種があるようです。
シャープ製はちょっと特殊で、後ろにやや傾いた上方排気で、壁沿いに気流を流すというスタイルのようです。
どこまで遠くまで風が届くのかは分かりませんが、この場合設置場所は厳密に壁際(多少隙間を空けた)に限定されます。
※空気清浄機の機能については、モデルによる違いもあると思うので、再確認を勧めます。
加湿機能に関してですが、日立製は水タンク容量が少なめな点が注意点です。
ここまで書いてきたように、各社それぞれ利点と欠点があるように思います。
シャープは良く分からないので除くと、私が選ぶなら手入れが簡単なパナソニックか日立だろうと思います。
ナノイーやプラズマクラスターに関してはどこまで効果があるのか良く分かっていないので、おまけと考えたほうが良いでしょう。
しかし、ダイキンのストリーマに関しては本体内部での処理なので効果はありそうです。
最後に、集塵フィルターと脱臭フィルターはタバコの環境だと寿命が大幅に減るので買い替えサイクルが短くなります。
香料などが充満する環境でも脱臭フィルターの寿命が大幅に低下します。