圧力鍋の選び方

2016/06/01

料理

圧力鍋は、通常よりも高い気圧をかけて調理するための鍋です。
通常の料理であれば1/2~1/3程度まで時間短縮でき、また、高圧力のものであれば、通常であれば何時間かけても柔らかくならない具材を柔らかくする事ができます。
私はシリット社の圧力鍋、セブの圧力鍋、ワンダーシェフの圧力鍋を使った経験があります。

まず、注意してもらいたい点を述べます。それは具材の粘度です。
シチューであれば、水で具材を煮るところを圧力鍋で行い、圧力が抜けた後にルーを追加します。
ルーは粘度があるため、圧力鍋の中にルーを入れて調理すると、蒸気吹き出し口にそれが詰まる恐れがあります。
私は玄米の調理のためにシリットの圧力鍋を買ったのですが、通常の「炊き」なら良かったのですが、「粥」として玄米の5倍の水を入れて30分以上煮るという事をしていたので、頻繁に詰まりが発生していました。
それは調理中の水に粘度が出るためで、それが蒸気と共に上がって圧力調整弁を詰まらせる原因となります。
そうなれば勿論、調理は続けられません。
ただし、安全装置が働いて圧力を外部に逃してくれるので、鍋が破裂すると言った事にはなりません。
圧力調整方式にはスプリング式とおもり式の二種類がありますが、私が使用していたシリットの圧力鍋はスプリング式です。
一方でセブとワンダーシェフの圧力鍋では多少中の水分が外部に零れ出ることはあっても詰まりが発生した経験はありません。これらはおもり式です。
また、圧力鍋の使用後に毎回、圧力調整弁を掃除できるかどうかという点は重要です。
掃除できれば、それだけ詰まりの発生は抑えられます。
シリットの圧力鍋は毎回の掃除ができないタイプでした。
勿論、ここで述べている事については、粘度の高いものを調理しない場合は関係ありません。

また、圧力鍋には落し蓋を使用することも効果的だと思います。
粘度の高い具材を調理する際に、落し蓋を使用すれば、中身が蓋のほうまで上がってきにくくなるため、弁を詰まらせることの予防になります。
ただし落し蓋の素材として紙やアルミ箔のものは厳禁です。それらが弁を塞ぐ可能性があります。また木製のものは木の臭いが料理に付きます。そのため私はシリコン製のものを使用しています。金属製でも良いですが、重いので、料理によっては落し蓋が必要以上に沈むことも考えられます。

圧力鍋は調理時間の短縮になる上に、調理中はあまり水の対流が起こりません。
そのため、煮崩れが起こりにくいです。
また、具材の成分が外に染み出しにくいと同時に、調味料を使っている場合は具材に浸透しにくいと言えます。
調味料を煮含める場合は、圧力が抜けた後に、追加で煮る必要があるかもしれません。

圧力鍋の選び方

いくつかのポイントごとに解説します。

圧力

固い具材を柔らかくする用途であれば、なるべく圧力は高い方が良いです。
圧力が低いと、調理時間の短縮にはなっても具材は柔らかく仕上がりません。
私は90kPa(キロパスカル)の圧力鍋で玄米を煮ていましたが、それでいくら時間をかけて調理しても、通常の調理での固さと大差ありません。
90kPaは、やや高めの圧力です。日常気圧約100kPaと足して、約190kPa(約2気圧)の圧力で調理する事になります。
アサヒ軽金属のゼロ活力鍋は、146kPaだそうです。
これで調理した玄米を食べた事がありますが、短時間でもかなり柔らかく仕上がっていました。
もっとも、元々の玄米らしい食感を残したいのであれば、低い圧力の方が良いです。
アサヒ軽金属の他に、ワンダーシェフも高圧力のものを出しています。
特に固い具材を調理せず、通常の調理を時間短縮したいという用途であれば、低圧のものでも良いと思います。
ただ、高圧にできる圧力鍋でも、低圧調理ができるタイプは多いです。

スプリング式と、おもり式

スプリング式は、海外のメーカーに良く見られる圧力調整方式で、おもり式は日本のメーカーに良く見られます。
スプリング式は、調理時のシューシューという音が、おもり式のシュルシュルという音と比べてうるさく無いという記述が見られます。
実際に両方の方式の音を聞いているのですが、そんなに違わないような感じがしました。
これはメーカーにもよるのかもしれませんが。
掃除のし易さも違います。
恐らく、スプリング式は、蒸気の通り道を毎回掃除する事は出来ないのではないでしょうか。
メーカーごとに調べてはいないので確かな事は言えませんが。
対しておもり式は、棒を通すことで毎回掃除ができるのでは無いかと思います。
この記事の初めにも書いた通り、毎回掃除できる事は、圧力調整弁の詰まりを予防する助けになります。
結論としては、玄米や白米などの粘度の高い具材を調理する場合は、圧力調整弁が簡単に掃除できるタイプが良いという事です。
また、機構が単純なおもり式のほうが、詰まりにくいかもしれません。
ただし、玄米や白米を「炊く」だけであれば、短時間なので詰まらないかとは思います。
公式のレシピにも普通に載っていますし。
粘度の高い調理をしない場合、少しでも音がうるさくないものが良ければスプリング式が良いと思います。
ただし、高圧の圧力鍋を選択する場合は日本メーカー製しか無く(恐らく)、必然的におもり式になります。

素材

多くはステンレス複層構造かと思います。
アサヒ軽金属のゼロ活力鍋や、フィスラーなどは恐らく18-10ステンレスを使っており、それによって金気が軽減するらしいです。
調理中に食材に流れ出る僅かな金属の量が、更に抑えられるかどうかは分かりませんが・・・。
見た目では金属的な艶が抑えられていると分かります。
私が使っていたシリットの圧力鍋は、琺瑯(ホーロー)製です。
重量はありますが、調理用の素材としては最も優れていると思います。
アルミ製の圧力鍋もあります。
素材に関して詳しくは、鍋の選択を参考にしてください。

容量(大きさ)

こればかりは何とも言えないのですが、圧力鍋は水位制限があるため、満容量に比べて実際に入る容量は少ないです。
満容量ぎりぎりで調理する事はできません。
蓋の裏側にある蒸気口と水位が近いと、飛び跳ねた水や具材が蒸気口を詰まらせる恐れがあるからです。
そのため、余裕を持った容量の方が良いです。
この点を考慮すれば、圧力鍋の形は、浅くて広い形よりも縦に長い寸胴型の方が良いとは思います。

圧力鍋の使い方

メーカーによる違いもありますが、基本的に圧力鍋の使い方は簡単です。
ここで簡単に説明します。
水と具材を入れ、蓋をセットします。セットの仕方は各社違いがあります。
おもり式の場合はおもりをセットします。
スプリング式の場合は、希望の圧力にレバーをセットします。
強火にかけ、一定のサイン(ピンが上がった後、圧力調整弁から蒸気が噴き出す、など)が出たら弱火にして指定の時間調理します。
火から降ろしたらそのまま圧が抜けるまで放置します(数分~10分強?)。
ここで、強制的に圧を抜く事もできます。

まともなメーカーであれば、ちゃんとした安全装置があるので、そもそも変な使い方はできない仕組みになっていたり、圧力調整弁が詰まっても他の所から圧力を逃す仕組みになっているかと思います。
小さい穴からしか蒸気を逃せない仕組みになっているものは駄目です。
私の持っているシリットの圧力鍋とセブの圧力鍋は、蓋の縁あたりに大きめの四角い穴が空いており、普段はゴムパッキンで塞がっているのですが、過剰な圧力がかかった時は、ゴムパッキンを押して蒸気が逃げる仕組みになっています。
私はそれで何度も助けられています。

鍋を洗う時ですが、スプリング式はどうも蒸気吹き出し口周辺が洗いにくい構造になっているのではないかと思います。
スプリング式はシリットの圧力鍋しか使った事はありませんが。
おもり式は洗いやすいと思います。

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